抗酸化成分のゴマリグナンとは?
ゴマに含まれる抗酸化成分【ゴマリグナン】
ゴマの健康成分といえばセサミンが有名ですが、実は抗酸化作用を持つ成分はセサミン一つではありません。
ゴマには四つの抗酸化成分が含まれており、それらを総称して「ゴマリグナン」と呼びます。リグナンとは植物性化合物の一種で、ゴマに含まれているためゴマリグナンという名になっているのです。
ゴマリグナンは、ゴマ一粒におよそ1%だけ含まれる貴重な成分です。
そのゴマリグナンの中でも最も多く含まれているのがセサミンです。次いで、セサモリン、セサモール、セサミノールという成分がゴマリグナンに含まれます。いずれもゴマの持つ抗酸化作用には欠かせない成分であり、活性酸素を抑え若々しい細胞を保つ力を持っています。またゴマリグナンは植物性エストロゲンと呼ばれ、女性ホルモンと同じ働きをして月経前症候群や更年期障害などのつらさを緩和します。
このように、ゴマリグナンはさまざまな働きで健康な体をサポートしてくれるのです。
セサミン以外のゴマリグナン
(1)セサミノール
セサミノールは、ゴマを焙煎せずに精製するごまサラダ油に多く含まれている成分です。
ゴマの中には、セサミンと同じく抗酸化作用を持つセサミノール配糖体という成分が含まれており、それが体内に入ることでセサミノールという成分に変わるのです。
セサミンが肝臓で活躍する抗酸化物質なのに対して、セサミノールは腸で吸収された後、血液中で抗酸化物質として働きます。
セサミノールは、体内の活性酸素を排除することで悪玉コレステロールの酸化を防ぐので、血液をサラサラにする効果があります。酸化した悪玉コレステロールのせいで血液がドロドロになってしまうと、いずれは動脈硬化などの危険な病気を引き起こしてしまいますが、セサミノールはそのような血管の病気を防ぐ力があるのです。また血液の巡りが良くなると血管への負担が減り、高血圧のリスクも下がります。
このように血液のスムーズな循環を助け、健康な体をサポートするのがセサミノールの力なのです。
(2)セサモリン
ゴマに一番多く含まれている成分はセサミンですが、そのセサミンに次いで量が多いのがセサモリンです。セサモリンそのものには抗酸化力はありませんが、ゴマが焙煎される工程でセサモールやセサミノールへと変換する成分なのです。体内の活性酸素を除去し、肝機能を改善するセサモールの強い抗酸化力は、このセサモリンが源になっているのですね。
(3)セサモール
上記で説明したセサモリンが焙煎されると、強い抗酸化作用を持つセサモールへ変わります。油に溶けやすい性質を持っており、ゴマを焙煎して作るゴマ油になどに含まれている成分です。ゴマ油は植物油の中でも劣化しにくい油ですが、それはゴマリグナンの抗酸化作用によって酸化が食い止められているからなのです。
抗酸化力を持つセサモールは、セサミンと同様、主に肝臓でその力を発揮します。肝臓を攻撃する活性酸素を除去し、肝機能を向上させて二日酔いを防止する効果があります。
また肝臓が本来もっている解毒作用がしっかりはたらくことで、血液に老廃物が流れるのを防いで血行を良くします。体のすみずみまで栄養素が行き渡るので肌のターンオーバーが促され、アンチエイジングにも効果があります。
ゴマリグナンの摂取方法
ゴマリグナンはゴマに含まれている成分なので、いつもの食卓にゴマを加えることで摂取ができます。
セサミンとセサモリンはゴマ製品ならば全てに含まれているので、おにぎりやおいなりさんに白ゴマを散らしたり、すりおろしたゴマで和え物を作ったりするなどして摂取しましょう。セサモールとセサミノールはゴマ油に含まれているので、炒め物などにゴマ油を使用することで摂取できます。
また、ゴマリグナンの大半を占めるセサミンだけは、サプリメントでの摂取が可能です。セサミンの一日の必要摂取量は10ミリグラムとされていますが、サプリメントであればこの量を無理なく摂取することができます。
セサミンをサプリメントで効率よく摂取しつつ、他のゴマリグナンは食事で楽しく摂って、健康でサビない体を作りましょう。