セサミンとセサミノールの相乗効果とは

ゴマに含まれるさまざまな抗酸化成分

ゴマには強い抗酸化力を持つ「ゴマリグナン」という成分が含まれています。このゴマリグナンとは複数の成分の総称であり、その中身は「セサミン」「セサミノール」「セサモリン」「セサモール」の４つで構成されます。ゴマが体に良いと言われているのは、このゴマリグナンが活性酸素を除去して若々しい体をつくるのに役立っているからです。
ゴマリグナンの中で最も多くゴマに含まれているものはセサミンであり、他の成分はわずかな量しか含まれていないとても希少な成分です。そしていずれも、サビない体づくりのサポートをする力を持っています。

なかでもセサミノールは、肝臓ではたらくセサミンと性質が異なり、腸管で吸収されて効果を発揮します。ゴマの中にはセサミノール配糖体という成分が含まれており、これが腸内でセサミノールへと変換され、体内に吸収されていきます。血液へ入り込んだセサミノールは血管を流れて体を巡り、全身の細胞へ抗酸化作用を発揮します。その結果、血行を促進して動脈硬化や心筋梗塞などを予防したり、肌のターンオーバーを促したりという効果をもたらすのです。
肝臓で活性酸素を除去するセサミンとは別の個所ではたらくので、一緒に摂取することで更なる効果が期待できます。
以下では、その貴重な抗酸化成分の一つであるセサミノールの効果と、セサミンとの相乗効果について説明します。

セサミノールとセサミンの相乗効果

(1)悪玉コレステロール値を下げる
コレステロールは肝臓が生成している脂質の一種で、悪玉コレステロールと善玉コレステロールがそれぞれバランスを取り合いながら細胞の免疫を高め、ウィルスから体を守っています。しかし不規則な生活習慣により肝機能が低下すると、悪玉コレステロールが過剰発生してしまい、活性酸素によって酸化され血管の中で詰まりを起こします。これが高血圧などの原因となり、いずれは大きな病気を引き起こしてしまうのです。
血液へ入り込むセサミノールは、血中の活性酸素を排除して悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、血行を促進する効果があります。コレステロール値が気になる方や、動脈硬化などの血管にまつわる病気を予防したい方には、セサミノールは特に摂取してほしい成分です。
また、セサミンも同じく血行を促進させる効果があります。こちらは肝臓で発生した活性酸素を除去して、血中で悪玉コレステロールと結びついてしまうのを未然に防ぐのです。そして、肝臓で発生する活性酸素から肝臓を守るので、衰えてしまった肝機能をサポートする効果もあります。
セサミンとセサミノール、それぞれが違う場所で抗酸化作用を発揮することによって、ますますその効果に期待ができます。

(2)二日酔いの予防
頭痛や吐き気をもたらす二日酔いの原因は、肝臓がアルコールを分解する際に発生する「アセトアルデヒド」という有害物質のせいです。肝臓はアルコールを分解したのちに、「アセトアルデヒド脱水素酵素」という物質を生成し、アセトアルデヒドを無害化します。しかしアルコールの量が多すぎると、分解処理が間に合わなかったアセトアルデヒドが血中に流れてしまい、体を巡って二日酔いの症状を引き起こすのです。
セサミノールには、このアセトアルデヒドの分解を促して、血中のアルコール濃度を下げるはたらきがあります。アセトアルデヒドの分解がサポートされることにより、分解処理が追いつかなかった肝臓の負担も軽減されます。
そしてセサミンは、肝臓で活性酸素を除去することにより肝機能を向上させ、二日酔いを防止します。肝臓が正常にアルコールの代謝を行うようになると、アセトアルデヒド脱水素酵素がしっかりと生成され、アルコールの分解が早まるのです。

とは言え、アルコールの過剰摂取は健康を害する原因の一つです。セサミンを摂れば、多くお酒を飲んでもいい、というわけではありません。肝臓を働かせすぎないよう、飲酒の際にはお酒の量に配慮することがとても大切です。

(3)肌のターンオーバーを促す
日々の生活で体にたまる活性酸素は、肌の細胞を攻撃してシミやくすみ、シワの原因となります。活性酸素は不規則な生活習慣だけでなく、過度な運動やストレスでも体内に発生するので、いかにそれを排除して肌への攻撃を防げるかが重要になってきます。
セサミノールは血中に流れてしまった活性酸素を排除し、肌の酸化を防ぐ力を持っています。細胞を壊してしまう活性酸素から守られた肌は、その若々しさと白さを保つことができます。
セサミンは肝臓の活性酸素を除去しますが、その働きによって血行そのものが促進されます。巡りが良くなった血液は体のすみずみまで栄養素を届け、ハリのある美しい肌をつくります。
セサミンとセサミノールの摂取は、肝臓と血管の両方から肌のターンオーバーを促すので、健康で若々しい肌を作り上げる効果があるのです。

セサミンとセサミノールの摂取方法

セサミンとセサミノールは、いずれもゴマに含まれている成分です。しかしゴマをむやみに食べても、セサミンとセサミノールの効率的な摂取には至りません。
セサミンに関しては、ドラッグストアや通信販売などでサプリメントの入手が可能です。セサミンの１日に必要な摂取量は10ミリグラムとされていますが、この量をゴマから摂ろうとすると、油分まで過剰に取り入れてしまうおそれがあります。サプリメントなら有効成分のみを、効率よく摂取できるのでおすすめします。
対してセサミノールはサプリメントでの摂取ができませんので、日々の食事で取り入れましょう。ゴマを食べることにより、ゴマに含まれたセサミノール配糖体が、腸内でセサミノールへ変換されます。ゴマは殻が固いので、すりつぶして和え物などで食べるとより体内に吸収されます。またセサミノールは、ゴマを焙煎せずに精製したごまサラダ油に多く含まれています。いつも使用している油を見直してみるのも良いですね。
毎日の食事を工夫しながらサプリメントを上手に取り入れ、セサミンとセサミノールの相乗効果を狙いましょう。